240224

月曜以降この週ふらふらしており、夢遊病者のようにドラッグストアで買った強壮剤を飲んだり漢方を服用したりして、だましだまし過ごしていた。金曜に13時間寝て、きょうも9時間ほど寝たらかなり元気になった。根を詰めた年末から年明けにかけてのバイオリズム的なたわみが生じていることと、気温と気圧の変化にがつんと影響を受けてしまったのだと思う。とくにきゅうにあたたかくなった火曜日は大変だった気がする。一歩歩くごとにぜいぜいしてしまい、自分と格闘するのでせいいっぱいだったが、夕方ごろきょうめちゃくちゃ暗くない?と同僚から言われた。そういう日はどうしようもないんです。気圧の影響受けやすくて〜というのもなかなか言えないので、長期的な事業継続のためにはすべての仕事を放り出して早く帰って眠るほかない。実際そうした。翌日涼しくなったら少しましになった。無理やり交互浴をさせられてるようなひどい天気だった。

 

きょう食パンを買った。できたての食パンはやわで、すぐにちぎれてしまうからカットがやりにくいらしい。冷めたころに出直したほうがいいですかといったら、5枚切りならギリいけますと言われたので5枚切りでお願いした。ギリいけます、という語彙、パン屋さんで普段あんま聞かないなと思った。直後、6枚切りを所望する客が私のあとにやってきて、店員さんは考え込んだあとに決死の表情で「頑張ります…!」と答えていた。普段パン屋さんであまり見かけない追い詰め方をさせてしまった。できたての食パンを食べる機会はめずらしいので、家についてすぐにトーストしてバターを塗って食べた。香ばしくておいしかった。

231229

『自炊者になるための26週』を読んでいる。12月は本当に忙しかった。意識を飛ばしていたのでどれくらい忙しかったか、どれくらいしんどかったかもすでにあまり覚えていないのだが、やばめな言葉がするりと独り言として出てくる瞬間がいくつかあったのは覚えている。そういう瞬間と瞬間の間、人ならざる時間に人らしさを取り戻させてくれたのがこの本だった。読むといっても椅子に座って、読むための時間を取って読むような読み方ではなく、エレベーターに運ばれている間や、座れない電車の中などで、電子書籍としてスマホを使って読んだ。いわゆる料理本ではない。効用は哲学書に近い。普段自分が無感動に口の中に押し込んでいたり、もそもそとそそくさと食べてしまうものにもそれぞれ固有の匂いがあること、奥行きをともなう風味があること、調理という操作によってそれの風合いが変わること、そして自分の嗅覚は常にそれらを感じ取っているはずであるということを思い出させてくれる本で、その事実に気づくと自炊に限らず外で食べる食事やティーバッグで淹れる茶の一口も楽しくなる。ご飯は美味しい。香りは伝えてくる。私はそれを感じ取ることができ、好きな方法を選んで操作することもできる。読み始めてから、自炊をすることで得られるものが気になるようになり、真夜中に、生まれて初めてかぶを蒸したり、じゃがいものポタージュを作ったり、ローストした赤ピーマンを3日間くらいだしに浸したおひたしを作ったりした。すべてほんとうに驚くくらい美味しかった。鼻に感謝。香りに感謝。素敵な本を出してくれてありがとうございます。